スウェーデン方式 2020 5 6

 新型コロナウイルスは、
すべての人類が免疫を獲得しない限り終わらないかもしれません。
人類の歴史は、未知のウイルスとの戦いだった。
 ワクチンもない、治療薬もないとなると、
人類に残された手段は、集団免疫の獲得しかない。
それが人類の歴史だった。
 しかし、多くの政治家は、それを理解していても、断行できない。
集団免疫獲得の前に、多数の死者が予想できるからである。
 結局、治療薬ができるまで「都市閉鎖」で耐え忍ぶという戦略を取らざるを得ない。
しかし、「都市閉鎖」に我慢ができなくなり、緩和する。
すると、また感染者が増えて、「都市閉鎖」をすることになる。

2020年4月29日の「CNN.co.jp」には、このようなニュースがありました。
「厳格な行動制限設けないスウェーデン、新型コロナ対策は成功したのか」
 (CNN) 世界各国が新型コロナウイルス感染拡大への対策に苦慮するなかで、
スウェーデンは、厳しい行動制限を設けない独自の路線を貫いてきた。
 スウェーデンでは、今も通勤者が街を行き交い、カフェやバーで会話が弾む。
大学や高校は遠隔授業に切り替えたが、小中学生は学校に通い、
美容院やレストランも営業を続けてきた。
それに比べて近隣諸国の対策は、はるかに厳格だ。
 緩やかな対策を取るスウェーデンの死者数は人口10万人あたり22人を超え、
近隣諸国の中でも突出している。
デンマークは人口10万人あたり7人余り、
ノルウェーとフィンランドは、いずれも4人足らずだ。
(引用、以上)
 スウェーデンの政治家が勇気があるというよりも、
国民のコンセンサスのほうが大きいと思います。
おそらく、国民のコンセンサスが政治家の決断を支えているのでしょう。
(参考)
 今は、昔と違って、科学技術が発達していますので、
X線解析装置を使って、たんぱく質の形状を測定して、
コンピューターで治療薬を作れるかもしれません。

鍵と鍵穴 2020 4 19

書名 分子レベルで見た薬の働き
著者 平山 令明  講談社ブルーバックス

 私は、タマネギが大好きで、
「いったい、どのような分子構造になっているのか」と興味があります。
 現代の技術では、X線解析装置で、
タマネギの分子構造を知ることができるでしょう。
 さすがに、「おいしさ」を分析するために、
X線解析装置を使うことはないでしょう。
 ところで、「水」は、不思議な物質です。
何でも水に溶けるのです。
いったい、どのような分子構造になっているのか。
 これは、X線解析装置を持ち出さなくても、
水は単純な分子ですので、その分子構造は見当がつきます。
分子構造がわかれば、水の不思議が解明できます。
 さて、細菌にしても、ウイルスにしても、
たんぱく質で構成されていますが、
やはり、分子構造があります。
その分子構造がわかれば、薬を作ることができます。
 ここで重要なのは、分子構造の形状です。
つまり、たんぱく質が、どのような形をしているかが重要です。
 簡単に言ってしまえば、できたてのたんぱく質は、
トイレットペーパーのように長いものです(一次構造)。
このままでは、たんぱく質は働きません。
 このようなトイレットペーパーを丸めると、
いろいろな形ができますが、どこかに「くぼみ」があります。
 この「くぼみ」に、「別のたんぱく質」がはまることによって、
その機能が発揮されるのですが、
過剰に発揮されると、病気が発生します。
 逆に、「くぼみ」に「別のたんぱく質」がはまっても、
不活性なままで機能しない場合がありますが、
これも病気の原因となります。
 あるいは、使うべきではない「くぼみ」に、
「別のたんぱく質」がはまっても病気になるでしょう。
 このような様子は、鍵と鍵穴に似ているでしょう。
鍵を鍵穴に入れて、ドアを開けっぱなしにしてしまった。
そうすると、雨風が入り込み、部屋の中は大混乱(病気)でしょう。
 逆に、晴れて気持ちがよい日には、ドアを開けて換気する必要があります。
換気をしないと、部屋の中は、湿気が増えて、壁や家具が傷みます。
これは、内装が「病気」になったようなものでしょう。
 新しい薬を作るには、X線解析装置を使って、
鍵穴がどこにあるかわかれば、さらに鍵穴の形状がわかれば、
鍵(薬)を作ることができます。
なんだか鍵師になった気分ですね。
 昔は、経験と勘で薬を作っていましたが、
今は、X線解析装置を使って、たんぱく質の形状を観測することによって、
薬を作る時代になりました。
















































































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